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働き方・休み方改善指標 活用事例集(平成29年度) 関係法令等に関するパンフレットなど | 働き方・休み方改善ポータルサイト

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(1)

実態把握

実 践

改 善

働き方・休み方改善指標

(2)

はじめに

...

Ⅰ 本事例集の活用方法について

...

Ⅱ 診断結果を踏まえた働き方・休み方改革の推進方法

...

  (1) 推進の仕組みづくり... .

  (2) 働き方・休み方改革の取組内容の検討... .

12

  (3) 働き方・休み方改革の実践... .

17

  (4) 取組の効果検証... .

26

Ⅲ 個別事例の改善取組

...

29

Ⅳ 「働き方・休み方改善指標」について

...

37

Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策

...

40

(3)

適切な労働時間で働き、きちんと休暇を取得することは、仕事に対する社員の意識やモチ ベーションを高めるとともに、業務効率の向上にプラスの効果が期待されます。社員の能力 がより発揮されやすい環境を整備することは、企業全体としての生産性を向上させ、収益の 拡大ひいては企業の成長・発展につなげることができます。

他方、長時間労働や休暇が取れない生活が常態化すれば、メンタルヘルスに影響を及ぼす 可能性が高くなり、生産性は低下します。また、離職リスクの上昇や、企業イメージの低下 など、さまざまな問題を生じさせることになります。社員のために、そして企業経営の観点 からも、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進が求められているのです。

本事例集では、働き方・休み方改革の推進方法をご紹介する中で、「働き方・休み方改善 指標」による診断結果をふまえ、企業に対し実際に提案した「対応方策の例」や、短期的に 取組を実践し効果を実感した事例をお示ししています。働き方・休み方改革を推進する際の ご参考にぜひご活用ください。なお、働き方・休み方における各課題に対する対応方策の内 容を検討する際には、厚生労働省が発行した平成28年度「働き方・休み方改善取組事例集(平 成29年3月発行)」を参照してください。

「働き方・休み方改善指標」は、企業の皆様が社員の働き方・休み方の見直し及び改善に 向けた検討を行う際にご活用いただくツールとして開発されたものであり、「IV「働き方・ 休み方改善指標」について」(P.37)で紹介しておりますので、こちらを用いて診断を行っ てみてください。自社の労働時間や休暇取得の実態は問題がある水準なのか、あるいは適切 な水準なのか、また改善が求められているとしたらどのような仕組みや制度が足りないのか ということを把握することができます。そして、自社における課題の対応方策について検討 してみましょう。

本事例集の作成にあたっては、以下の学識経験者、企業人事労務担当者の 協力をいただきました。

◎佐藤 博樹:中央大学大学院.戦略経営研究科.教授

 江木  忍:カルビー株式会社.執行役員.人事総務本部.本部長

〔検討委員会〕

はじめに

(4)

本事例集の活用方法について

本事例集の活用方法

推進方法の検討

Ⅱ 診断結果を踏まえた働き方・休み方改革の推進方法(P.5) ◦働き方・休み方改革の取組ステップを参考にして、自社の働き方・

休み方改革の推進方法を検討します

課題の抽出

Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策(P.40)

◦掲載されている働き方・休み方の各課題のうち、自社の課題に 近い課題を選択します

対応方策の検討

◦選択した課題に対する対策を参考に、働き方・休み方の各課題 について対応方策を検討します

働き方・休み方改善 取組事例集

●働き方・休み方改善指標による診断ができます ●「働き方改革」に取り組む企業の事例を紹介しています

http://work-holiday.mhlw.go.jp

厚生労働省委託事業

お問合せ先 厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課

TEL:03-5253-1111 企画・製作 株式会社三菱総合研究所

発行 2017年3月

働き方・休み方改善ポータルサイト

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http://merumaga.mhlw.go.jp/

【著作権について】

働き方・休み方改善指標活用事例集に 関しての著作権は厚生労働省が有しています。 本事例集の内容については、転載・複

製を行うことができます。 転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。 なお、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め 厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課(03-5253-1111)までご相談ください。

【免責事項】

本紙の掲載情報の正確性については 万全を期しておりますが、 厚生労働省は、利用者が本紙の情報を

用いて行う一切の 行為について何ら責任を負うものではありません。

働き方・休み方改善指標活用事例集

平成29年3月発行

本事例集では、働き方・休み方改革の推進方法をステップ別に紹介しています。「Ⅱ  診断結果を踏まえた働き方・休み方改革の推進方法」(P. 5)では、各ステップの取組 方法や、働き方・休み方改善指標を活用した診断・コンサルティングを平成29年度に 受けた企業における取組事例を掲載しています。

なお、各ステップで直面する「よくある課題」に対する対応方策を検討する際には、 厚生労働省が発行した平成28年度「働き方・休み方改善.取組事例集(平成29年3月 発行)」を参照してください。

また、働き方・休み方の各課題の対応方策を検討する際には、「Ⅴ 働き方・休み方 の課題と対応方策」(P.40)のうち、自社の課題に近い課題を選択し、提案された対応

方策を参考としてください。具体的な対策内容は、「働き方・休み方改善取組事例集(平

成29年3月発行)」を参照してください。

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実態把握

実 践 改 善

働き方・休み方改善指標 活用事例集

働き方・休み方改善ポータルサイト

平成30年3月発行

●働き方・休み方改善指標 による診断ができます ●「働き方・休み方改革」

に取り組む企業の事例を  紹介しています  http://work-holiday.mhlw.go.jp/

お問い合わせ先 厚生労働省 雇用環境

・均等局 職業生活両立課 働き方・休み方改善係 TEL:03−5253−1111 企画・制作 三菱UFJ リサーチ&

コンサルティング株式会社 発行 2018年3月 厚生労働省委託事業

【について】 働き方・休み方改善指標活用事例集

に関してのは労働 が有しています。 本事例集の内容については、侇 ・ 製

を行うことができます。 侇 ・ 製を行う場合は、出 を明 してく さい。 なお、 用目的で侇

・ 製を行う場合は、め 労働

用・ 等局 職業 活 立課 働き方・休み方改善係

( 3 5253 1111)までごく さい。 【 責事 】

本 の情報の 確性 については 全を期しておりますが、 労働は、 用者が本

の情報を用いて行う一切の行 について何ら責任を うものではありま ん。

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実態把握

実 践 改 善

働き方・休み方改善指標 活用事例集

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平成30年3月発行

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お問い合わせ先 厚生労働省 雇用環境

・均等局 職業生活両立課 働き方・休み方改善係 TEL:03−5253−1111 企画・制作 三菱UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社

発行 2018年3月 厚生労働省委託事業

【について】 働き方・休み方改善指標活用事例集

に関してのは労働 が有しています。 本事例集の内容については、侇 ・ 製

を行うことができます。 侇 ・ 製を行う場合は、出 を明 してく さい。 なお、 用目的で侇

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・ 等局 職業 活 立課 働き方・休み方改善係

( 3 5253 1111)までごく さい。 【 責事 】

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本事例集 本事例集

(5)

平成29年度「働き方・休み方改善指標」を活用した

診断・コンサルティングの内容

診断・コンサルティングの内容

本事例集の作成にあたり、18社のモデル企業に対して「働き方・休み方改善指標」を 用いた診断・コンサルティングを実施しました。診断・コンサルティングの内容は以 下のとおりです。平成29年度は、「働き方・休み方改善指標」診断結果に基づく改善提 案に加え、働き方・休み方改善に向けて短期間でも取り組むことのできる取組内容を 提案し、一部のモデル企業が短期的取組を実践しました。提案した短期的取組の内容 は「短期的取組の例 平成29年度の「働き方・休み方改善指標」を活用した診断・コ ンサルティングで提案した取組内容」(P.18)をご覧ください。

データ入力 ■「働き方・休み方改善指標」にデータを入力

■事務局(本事業のコンサルタント)にてモデル企業の課 題を分析し、改善提案を作成

■事務局(本事業のコンサルタント)が訪問し、人事担当 者等に課題についてのヒアリングを実施

■「働き方・休み方改善指標」診断結果に基づく改善提案 及び短期的取組の検討

■初回訪問での提案内容の検討

■短期的取組の実践(取組の事前アンケートの実施)

■事務局(本事業のコンサルタント)が訪問し、改善提案 の検討及び短期的取組の実践状況の確認

■短期的取組の継続実践に向けたアドバイス

■短期的取組の継続実践(取組の事後アンケートの実施)

モデル企業

事務局

モデル企業 &事務局

モデル企業

モデル企業 &事務局

モデル企業

取組内容検討・ 短期的取組の実践

課題分析 改善提案検討

第2回訪問・中間報告 ・アドバイス 初回訪問・ヒアリング

・初回提案

(6)

下記、URLの「働き方・休み方改善ポータルサイト」でこれまでに発行された事例集を 見ることができます。働き方・休み方における各課題に対する対応方策の内容を検討する際 には、厚生労働省が発行した平成28年度「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月 発行)」を参照してください。

http://work-holiday.mhlw.go.jp/

働き方・休み方改善ポータルサイトを活用しましょう

「参考資料」 をクリック

「関係法令等に関する パンフレットなど」

(7)

診断結果を踏まえた

働き方・休み方改革の推進方法

推進のステップ例

(1)推進の仕組みづくり(P.6)

◦各職場を巻き込みながら継続的に働き方・休み方改革の取組を推進 するため、自社の状況に応じた仕組みづくりを行います

(2)働き方・休み方改革の取組内容の検討(P.12)

◦「働き方・休み方改善指標」の結果を踏まえ、自社の課題を分析し、 事例集を参考にしながら対応方策を検討します

(3)働き方・休み方改革の実践(P.17)

◦優先順位付けを行うなど、取組内容に応じた具体的な進め方を検討 し、働き方・休み方改革を実践します

(4)取組の効果検証(P.26)

働き方・休み方改革を推進し、実際に効果をあげるためには、以下の点を押さえた 取り組み方を実践することが重要です。

▶働き方・休み方改革に取り組む目的・狙いの明確化

 ➡トップダウンによる方針の表明

▶各部門が、業務特性に応じて働き方・休み方改革に取り組むこと

 ➡職場を巻き込んだボトムアップの取組

▶中長期的な取組の推進

 ➡PDCAサイクルの確立

(8)

(1)推進の仕組みづくり

働き方・休み方改革を推進する際には、推進の仕組みづくりを行うことが大切です。 推進体制は自社の状況に応じて整備しましょう。以下では、仕組みづくりの例を紹介 します。

トップが働き方・休み方改革に取り組む目的を発信するとともに、働き方・休み 方改革を推進する専門部署を設置し、働き方・休み方改革の取組に対する企業の本 気度を社員に示すことで、全社を挙げて継続的な取組を推進することができます。 また、職場を巻き込んだボトムアップの取組とするため、各部門の推進責任者を選 定するとよいでしょう。

働き方・休み方改革の推進は、全社として設定する目標や全社共通の取組につい ては専門部署が統括する一方、各部署ごとの課題に対応するための取組は職場単位 で実施することで、職場の当事者意識を高めることにつながります。その際、各部 署の好事例を情報発信するなど、専門部署は各部署の働き方・休み方改革推進のサ ポートを行いましょう。

①大企業などで全社的に働き方・休み方改革を推進する場合

体制イメージ

働き方・休み方改革 推進部署

トップ

推進統括・サポート 意見収集

推進責任者

(9)

働き方・休み方改革を推進する専門部署を設けることが難しい場合、トップをリー ダーとし、複数の社員をメンバーとするプロジェクト・チームなどを立ち上げる方 法もあります。プロジェクト・チームのメンバーには、性別や年齢、所属部署など、 様々な社員を任命することで、多様な意見を収集することができます。メンバーを 指名制とするか、働き方・休み方改革への関心の高い社員による公募制とするかは、 自社の状況に応じて決定しましょう、

なお、プロジェクト・チームでの活動を公式な業務と認めることで、各メンバー の上司に対して、プロジェクト・チームのメンバーの業務負荷を調整するよう働き かけることも重要です。

②中小企業などで働き方・休み方改革を推進する場合

体制イメージ

働き方・休み方改革推進 プロジェクトチーム トップ

取組の働きかけ

メンバー

(10)

体制イメージ

働き方・休み方改革 推進担当者 トップ

モデル部署

メッセージ発信

意見収集

サポート 推進責任者 推進メンバー

働き方・休み方改革に関心の低い部署が多い場合や、テレワークなどの従来とは 異なる働き方を推進する際には、一部の部署で試行期間を設け、働き方・休み方改 革のモデル取組を試行する方法もあります。試行を通じて運用面での支障の有無や 効果を検証した後に、全社に水平展開しましょう。モデル部署を選定する際には、 現在の働き方・休み方に課題を感じている部署や、新しい働き方に積極的にチャレ ンジする意向のある部署を選定するとよいでしょう。

モデル部署では推進責任者と推進メンバーを決めます。推進メンバーは職場の意 見を収集したり、アイデア出しを行い、モデル取組の推進役を担います。推進メン バーには、性別や年齢、職位など、様々な社員を任命するとよいでしょう。

なお、モデル部署での取組は、短期間かつ比較的取り組みやすい内容とすること で、モデル部署の参加意欲を高め、小さくても確実な成果を出すことがポイントで す。また、モデル事例をきっかけとして、全社への水平展開や働き方・休み方改革 の継続的な推進につなげることが重要です。

(11)

推進の仕組みづくりにあたり、以下のような課題がある場合には、「働き方・休み方改善 取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。

. 業務効率化や、ワークスタイル変革推進(所定外労働削減、年次有給休暇取得促進を含む) を経営課題と認識してもらうため、経営計画に盛り込んだうえで、計画策定時と計画期 間中にトップから随時メッセージを発信

. 経営計画やトップメッセージに具体的な目標数値を掲げる。目標の設定には、安全衛生 委員会等、労使による協議の場を活用

. 所定外労働削減・年次有給休暇の取得促進の方針を社外にも発信

. 働き方・休み方改善の推進に向けた社内体制を構築し、労使協調による話し合い体制や 情報共有の体制を整える

. 働き方・休み方改革に向けて従業員代表等との協力推進体制の整備

トップの長時間労働の削減や

休暇の取得に関する意識が低い

責任をもって働き方改革を

推進する人・組織がない

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.4

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29 年3月発行)」P.14

(12)

本事例集の作成にあたり、18社に対して「働き方・休み方改善指標」を用いた診断・コン サルティングを実施した事例の中から、推進の仕組みづくりの事例を紹介します。

. 働き方改革はもともと、テーマに応じて人事内の各部署が対応していたが、対応すべき ボリュームの大きさやITなど関連するものの幅の広さに対応するために専任チームが 必要だと考え、2017年8月にワークスタイル変革推進チームを設立した。

. 同チームは、トップのメッセージの発信、改革の全体像の企画のほか、各事業部との連携・ 各地域事業所との連携が役割となっており、取り組むテーマによって連携方法を組み合 わせることを想定している。労働組合とも連携している。

. チーム発足以降、社長や人事役員からのトップメッセージの発信をしているものの、社 員全体に届いているとは言い難く、表面的ではない、社員の心に響く風土改革を企画・ 推進する意向である。また、労働時間に関しては、早く帰るように促すだけではなく、 職場のムダ・ムラ・ムリをなくすための具体的な施策を、各事業部・職場で主体的に進 めていく方針。

. 今期の基本方針に「きょうわ働き方改革」を掲げ、執行役員管理本部長をリーダー、社 長を副リーダーとしたワーキング・グループを発足。メンバーは安全衛生委員会のメン バーと兼務で、若手から管理職までと幅広い。

.「きょうわ働き方改革宣言」では、働き方の改善として「長時間労働の削減(36協定遵守、 年間残業時間5%ダウン)」「毎月ノー残業デー達成率80%」、休み方の改善として「有 給休暇取得率50%」を全社的な目標としている。また、部署ごとにも働き方と休み方に 関する目標を掲げ、取組を進めている。

. スケジューラーは以前から導入していたが、会議や打合せの予定を入力するだけではな く、タスクや残業時間を管理するための入力ルールを新設。ワーキング・グループで新ルー ルでの入力を1か月試行し、意見を収集した。その後、全社会議で取組の内容を説明し、 全社への展開を図っている。

働き方・休み方改革を推進する専門部署を設置

帝人株式会社/製造業/社員数1,000人以上

トップを含めたワーキング・グループを発足

協和設計株式会社/学術研究、専門・技術サービス業/社員数100 ~ 999人

参考となる取組事例

取組

事例

取組

事例

【推進の仕組みづくり】

(13)

. トップは、働き方改革を重要な取組として捉えており、幹部を中心とした委員会である「働 き方改革プロジェクト」を立ち上げ、先導している。

. 残業時間の削減については、全社共通の目標を設定している。また、各部門でも、現状 把握による課題の抽出を通じて、それぞれの業務特性に応じた対策を検討するとともに、 推進計画の策定を行っている。これらの内容は、「働き方改革プロジェクト」とも共有し ており、全社的に改善を推進していくこととしている。

. テレワークは、1つのモデル部署でテスト的に導入しており、利用率や利便性について の検証を行ったうえで、他事業部への展開を検討する。

. スケジューラーは導入済みであったが、今回のトライアルでは、「タスクの時間管理」を 主目的としたスケジュールの可視化に取り組んでいる。実施にあたっては、モデル部署 を設定し、効果検証を行うこととしている。

. 今期の社長方針では、「健康経営」を掲げており、次世代育成支援対策推進法に基づく一 般事業主行動計画において、時間外労働の削減・有給休暇の取得推進に関する取組の方 向性や目標を定めている。また、一般事業主行動計画は、全社員に発信し、安全衛生委 員会で進捗状況を報告している。

. 取組を全社的に浸透させるため、人事担当部署が、推進主体として事務局的な役割を担 うとともに、各部の部長をコアメンバーとして、取組を推進している。

. スケジューラーは全員に導入済みであったが、今回の取組では、4部署をモデル部署とし、 スケジューラーを活用した退社時間計画トライアルを1か月間実施。効果測定の結果に より、全社的な取組への拡大を検討することとしている。

モデル部署を設定したトライアル

株式会社シー・レップ/サービス業(他に分類されないもの)/社員数30 ~ 99人

モデル部署を設定したトライアル

向洋電機株式会社/卸売業、小売業/社員数100 ~ 999人

取組

事例

取組

事例

【推進の仕組みづくり】

(14)

(2)働き方・休み方改革の取組内容の検討

働き方・休み方改革の取組内容を検討する際には、まず最初に「Ⅳ (1)働き方・ 休み方改善指標(企業向け)」(P.37)を活用し、労働時間や休暇取得の実態、これに 関連する自社の取組・制度を再確認しましょう。「働き方・休み方改善指標(企業向け)」 の結果を踏まえ、働き方・休み方に関する各課題の対策を検討する際には、「Ⅴ 働き 方・休み方の課題と対応方策」(P.40)のうち、自社の課題に近い課題を選択し、対応 方策を参考にしましょう。具体的な対策内容は、「働き方・休み方改善取組事例集(平 成29年3月発行)」を参照してください。

また、人事労務データを分析し、現在の働き方・休み方の実態を把握しましょう。「働 き方・休み方改善指標」では、働き方・休み方の全社的な傾向を捉えることができますが、 人事労務データを分析することで、部署や社員による業務負荷の偏りや、時季による 繁閑差といった課題を把握することができます。

さらに、社員の声を収集することで、対策を実効性の高い内容とするとともに、社 員の納得度を高めることで対策を実践につなげやすくすることができます。社員の意 見収集には、社員アンケートやヒアリングを実施する方法があります。「Ⅳ (2)働き 方・休み方改善指標(個人向け)」(P.38)も活用できます。

以下では、「(1)推進の仕組みづくり」(P. 6)で紹介したタイプ別に、取組内容の 検討の進め方をお示しします。

働き方・休み方改革推進部署が中心となって、「Ⅳ (1)働き方・休み方改善指標(企

業向け)」(P.37)を活用し、労働時間や休暇取得の実態、これに関連する自社の取 組・制度を再確認しましょう。また、人事労務データを分析し、部署や社員による 業務負荷の偏りや、時季による繁閑差といった課題を把握します。

上記の結果を踏まえ、「Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策」(P.40)のうち、 自社の課題に近い課題を選択し、対応方策を参考にしましょう。具体的な対策内容 は、「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。 上記課題のうち、全社的な課題については、働き方・休み方改革推進部署が中心 となって取組内容を検討します。特定の部署における課題や、「Ⅴ 働き方・休み 方の課題と対応方策」(P.40)で示された課題のうち、「仕事特性、仕事のやり方に 難あり」の課題は、各部署単位で具体的な取組内容を検討するとよいでしょう。そ の際、働き方・休み方改革推進部署は、各部署の好事例を情報発信するなど、各部 署での検討をサポートしましょう。

(15)

モデル部署の推進責任者・推進メンバーが中心となって、働き方・休み方改革推 進担当者のサポートを受けながら、「Ⅳ (1)働き方・休み方改善指標(企業向け)」 (P.37)を活用し、労働時間や休暇取得の実態、これに関連する自社の取組・制度

を再確認しましょう。また、人事労務データを分析し、社員間の業務負荷の偏りや、 時季による繁閑差といった課題を把握します。

上記の結果を踏まえ、「Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策」(P.40)のうち、 自部署の課題に近い課題を選択し、対応方策を参考にしましょう。具体的な対策内 容は、「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。

モデル部署の推進責任者・推進メンバーは、職場のメンバー の意見も収集しながらアイデア出しを行い、働き方・休み方改 革推進担当者のサポートを受けながら取組内容を検討します。 なお、モデル事例づくりに向けて、短期間かつ比較的取り組み やすい内容としましょう。

働き方・休み方改革プロジェクト・チームが中心となって、トップや人事労務担 当部署と協力しながら、「Ⅳ (1)働き方・休み方改善指標(企業向け)」(P.37) を活用し、労働時間や休暇取得の実態、これに関連する自社の取組・制度を再確認 しましょう。また、人事労務データを分析し、部署や社員による業務負荷の偏りや、 時季による繁閑差といった課題を把握します。

上記の結果を踏まえ、「Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策」(P.40)のうち、 自社の課題に近い課題を選択し、対応方策を参考にしましょう。具体的な対策内容 は、「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。 上記課題のうち、全社的な課題については、働き方・休み方改革プロジェクト・チー ムが中心となってアイデア出しを行い、トップや人事労務担当部署と協力しながら 取組内容を検討します。特定の部署における課題や、「Ⅴ 働き方・休み方の課題 と対応方策」(P.40)で示された課題のうち、「仕事特性、仕事のやり方に難あり」 の課題は、各部署単位で具体的な取組内容を検討するとよいでしょう。その際、働 き方・休み方改革プロジェクト・チームはトップや人事労務担当部署と協力しなが ら、各部署の好事例を情報発信するなど、各部署での検討をサポートしましょう。

(16)

働き方・休み方改革の取組内容を検討する際に、以下のような課題がある場合には、「働 き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。

. 適切に労働時間を把握するためのシステムの導入

. 職員相談窓口の設置(人事労務部門、または外部の活用)

. 長時間労働や年次有給休暇の取得が低調な部署、個人に対して、ヒアリング等の方法に より実態を把握する

. 所定外労働時間数や年次有給取得率の部門平均の社内等への公表 . 社内の好事例、問題事例の要因分析

. 労働組合との協力体制推進

. 上長への部下の労働時間集計データの配信方法を工夫する(早めのアラート発信)

. 社員意識調査の実施

. 社員意識調査による休暇に対する意識の収集 . 定期的に社員意識調査を行う

働き方の実態が把握できていない

社員がどのような働き方を望んでいるか

把握できていない

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.41

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29 年3月発行)」P.43

(17)

本事例集の作成にあたり、18社に対して「働き方・休み方改善指標」を用いた診断・コン サルティングを実施した事例の中から、働き方・休み方改革の取組内容検討の事例を紹介し ます。

. 自社内で設立した「ワーク・ライフ・イノベーション委員会」を中心に、来年度以降働き方・ 休み方改革の取組を具体化していく方向である。

. 自社の特徴として、システム開発のプロジェクトで顧客先等に常駐している技術者も多 く、これらの社員の勤務状況が把握しにくいことがある。働き方改革の取組内容を検討 するにあたり、まずは社員の日々の働き方・休み方の実態や課題、プロジェクトでの業 務状況等を把握することになった。

. 把握の方法として、社外常駐者も含めた全社員を対象としたアンケートと、一部の若手 社員を対象としたヒアリングの両方を実施することにした。

. アンケートは、働き方の状況(労働時間・休日の取得状況等)、仕事の進め方、ワーク・ ライフ・バランスにおける課題等を聞く形で構成し、全社員を対象にWebベースで実 施する。

. ヒアリングは、事業部ごとに若手社員から人選をし、業務において時間や負担がかかっ ていることや、働き方・休み方改革で力を入れて取り組みたい施策、効率化ができると 感じている業務について具体的に聞く予定にしている。併せて、プロジェクトのアサイン・ 進行や育成に関する意見も聞いていく。

. 今後、アンケートとヒアリングの結果をまとめ、実態把握や取組内容検討の参考とする 予定。

社員アンケートとヒアリングを通じた実態・課題把握

鈴与シンワート株式会社/情報通信業/社員数100 ~ 999人

参考となる取組事例

取組

事例

(18)

【働き方・休み方改革の取組内容の検討】

. 全社的な働き方改革に取り組むにあたり、自社の課題把握が必要と感じていた。また、 中堅層の女性社員が少なく、若手の女性社員が将来の働き方やキャリアをイメージし難 い面があるのではないかとの懸念があった。

. まずは、本事業のコンサルタントにより女性社員を対象にヒアリングを実施し、働き方 の課題や今後の取組アイデアを聞いた。

. ヒアリングの内容も踏まえ、部署によって働き方に対する意識が異なる可能性もあるた め、決めた時間に帰る取組等を通じて全社的に残業に対する意識を向上させていくこと をコンサルタントから提案された。

. また、女性社員については、今後の働き方やキャリアのイメージを描きやすくするため、 キャリア面談を実施してキャリアプランを管理職と話す機会を持つことや、女性社員同 士の交流機会を設定することをコンサルタントから提案された。

. これらの提案も参考とし、2018年度に実施するプロジェクト内で、具体的な取組施策を 検討していく予定。

女性社員の働き方・キャリアに関するヒアリング

岩崎通信機株式会社/製造業/社員数100 ~ 999人

取組

(19)

(3)働き方・休み方改革の実践

働き方・休み方改革の対策を実践する方法には、対策の内容や企業の特徴により、取 組の範囲別に、全社で一律に行う/各部署ごとに行う/一部の部署で行う方法がありま す。また、取組の実践期間別に、短期的に取り組むケース/中長期的な取組が必要な対 策があります。多くの対策が挙げられた場合、全社実施・部署ごとの実施や、短期的・ 中長期的取組など、対策の優先順位付けとあわせ、最適な実践方法の検討を行いましょう。

「Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策」(P.40)で示された課題のうち、「意識 に問題あり」「マネジメントに問題あり」「実態把握に問題あり」の課題の多くは、 全社で取り組むべき対策です。働き方・休み方改革推進部署などが中心となって、 全社的な取組として対策を検討しましょう。ただし、これらの課題が特定の部署に おいてのみ生じている場合には、働き方・休み方改革推進部署が該当部署の責任者 に対策を講じるよう働きかけを行いましょう。

「仕事特性、仕事のやり方に難あり」の課題は、部署ごとに具体的な対策内容は 異なります。働き方・休み方改革推進部署が旗振り役となり、具体的な対策を各部 署に検討・実践してもらう方法がよいでしょう。

各部署の本来業務や、部門横断的な業務に関する対策、経営上の意思決定が必要 な対策には、取組のための準備や検討期間といった一定の期間を要することが少な くありません。「Ⅴ 働き方・休み方の課題と対応方策」(P.40)で示された課題 のうち、「仕事特性、仕事のやり方に難あり」の課題の多くは、取組に一定の期間 を必要とします。中長期的な取組は、責任者や担当者を明確にし、最終期限とスケ ジュールを決め、定期的に進捗を確認するなど、PDCAサイクルを整備します。

一方で、会議や資料作成、社員自身によるスケジュール管理など、各部署の付随・間 接業務や、部署を問わず行われている業務については、短期的に改善を図ることが可能で

す。「仕事特性、仕事のやり方に難あり」の課題のうち、「必要ではないメール、会議が多い、

会議が効果的に行われていない」は代表的な例となります。働き方・休み方改革の短期 的な取組として、期間を限定して全社員で(大企業では一部のモデル部署で)取り組むなど、 社員が効果を実感できる取組から実践する方法もあります。これらの取組は、短期間でも

①全社での実施・部署ごとの実施

(20)

短期的取組の例

平成29年度の「働き方・休み方改善指標」を活用した

診断・コンサルティングで提案した取組内容

取組の手順例

会議にかかる時間やコストの削減をきっかけとして、業務の効率を高めるための短 期的取組です。取組の手順例は以下のとおりです。

1)会議運用ルールを決める

会議に関する課題を整理する。社員の声を収集したり、社員へのアンケートを 行うことで、会議に関する課題をひろい、会議効率化に向けた期待を確認する。 社員全員が遵守しなければならない会議の運用ルールを決める。

ルールは3~5つ程度におさめ、シンプルで遵守が容易な内容とする。

★会議運用ルールの例

❖議題は事前に共有する

❖会議の時間は1時間以内とする ❖開始・終了時間を厳守する ❖会議のゴールを明確にする ❖議事録は会議内で作成する

2)コア会議を設定する

これまでの会議のあり方が変わったとメンバーが実感できることを目的に、毎 月開催などの定例会議を「コア会議」として1つ設定し、会議運用ルールの遵 守に加えて、会議の無駄を減らす/会議の質を向上することにチャレンジする。 効果検証のために、現在の開催状況(会議所要時間、参加人数など)を確認する。

3)ルールを共有する

社員全員が集まる機会やメール連絡などにより、社員全員にルールを周知する。 ルールの説明は一度だけでなく、会議室にポスターを貼ったり、ポータルサイ トや社内報で周知するなど、様々な周知方法を活用する。

(21)

取組の手順例

場所にとらわれない働き方を促進し、働き方の柔軟性を高めるための短期的取組で す。取組の手順例は以下のとおりです。

1)在宅勤務へのニーズや課題を把握する

在宅勤務に関するニーズや課題を整理する。性別、年齢、役職別など、幅広い 社員のニースを把握したり、社員へのアンケートを行うことで、在宅勤務に関 するニーズや課題をひろい、在宅勤務への期待を確認する。

2)在宅勤務運用ルールを決める

活用可能なITツールや制度・ルール上の制約を踏まえた上で、今回の試行に おける在宅勤務運用ルールを決める。

在宅勤務トライアル

取組例

4)期間を限定してルールを遵守する

1~3か月程度の期間を限定し、決めたルールを社員全員で徹底する。

実施期間の途中で、ルールの遵守状況や、会議効率化の効果などを確認し、必 要に応じてルールの遵守を再度徹底する。

5)効果を測定する

会議開催数や会議所要時間、参加人数の状況を把握する。効果をより実感でき るよう、人件費換算する方法もある。

コア会議については、これまでの開催状況と今回の取組での状況を比較するこ とで、定量的な効果を確認する。

社員の声を収集したり、社員へのアンケートを行うことで、社員が会議効率化 の効果を実感できているかどうかもあわせて検証する。

結果を社員にアピールするとともに、好事例を社内に展開する。

(22)

★在宅勤務運用ルールの例

❖在宅勤務前日までに利用申請を行う

❖在宅勤務で行う業務内容を上司に報告する

❖在宅勤務当日は、勤務開始・終了の際に上司に連絡をする ❖在宅勤務終了後は、行った業務内容を上司に報告する

3)ルールを共有する

社員全員が集まる機会やメール連絡などにより、社員全員にルールを周知する。 在宅勤務で活用可能なITツールの説明を行う。

4)期間を限定して試行を行う

1~3か月程度の期間を限定し、決めたルールを社員全員で徹底する。

実施期間の途中で、在宅勤務の試行状況や、在宅勤務の運用上の課題などを確 認し、必要に応じてルールの遵守を再度徹底する。

5)効果を検証する

在宅勤務の利用状況(利用回数、利用方法(終日利用、半日利用など))を把握する。 社員の声を収集したり、社員へのアンケートを行うことで、実際に在宅勤務を 利用した後の、社員の在宅勤務へのニーズを確認する。

また、新たに発見した課題を含め、本格的な導入について検討する。

取組の手順例

社員の時間意識を高め、ライフスタイルに合わせて働く時間を柔軟にできるような 風土をつくるための短期的取組です。取組の手順例は以下のとおりです。

1)退社時間計画トライアルのルールを決める

目標とする退社時間を職場単位あるいは個人単位で設定する。設定した時間で の退社を行う日を、週3~5日の範囲で設定する。

設定した時間での退社を目標として各自がタイム・マネジメントを行うのにあわ せ、スケジューラーを活用する。

(23)

スケジューラーは社員間で公開するとともに、入力ルールを設定する。

★スケジューラー入力ルールの例

❖目標とする退社時間を入力する

❖前週のうちに翌週のスケジュールを入力する

❖会議・外出だけでなく、自分の作業スケジュールも入力する ❖集中タイムを表示する

2)ルールを共有する

社員全員が集まる機会やメール連絡などにより、社員全員にルールを周知する。 ルールの説明は一度だけでなく、ポスターを貼ったり、ポータルサイトや社内 報で周知するなど、様々な周知方法を活用する。

3)期間を限定してルールを遵守する

1~3か月程度の期間を限定し、決めたルールを社員全員で徹底する。

実施期間の途中で、ルールの遵守状況や、設定した時間での退社を行うための 職場や社員の工夫などを確認し、必要に応じてルール遵守の再徹底や好事例の 共有を行う。

4)効果を測定する

設定した時間での退社状況を把握する。結果として労働時間の短縮につながっ ているかどうか確認する。

社員の声を収集したり、社員へのアンケートを行うことで、社員が退社時間計 画トライアルの効果を実感できているかどうかもあわせて検証する。

(24)

働き方・休み方改革の実践にあたり、以下のような課題がある場合には、「働き方・休み 方改善取組事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。

. 管理職の長時間労働を解消する仕組みの導入 . 管理職による所定外労働の事前承認制を設ける

. 年次有給休暇取得促進を目的とした取引先(派遣先)との関係見直し . 実効性を高めるポスターの掲示

. 意識改善のための【管理職層に対するマネジメント力向上等を目的とした実習型研修】 の実施

. メッセージの発信方法・発信頻度及び内容を改善

. 社員向けの教育・研修を行う

. オフの時間確保とそれによる社外の様々な活動への参加推奨

. 一般職員の人事評価項目にワーク・ライフ・バランス管理に関する項目を設定する

. ノー残業デー実施日に、所定外労働の事前申告・承認制度を試験的に導入する

顧客・先輩等と一緒に仕事をしているため、

先に帰りにくい、休みを取りにくい

働き方改革に取り組んできたが、

社員の考え方が変わるまでに至っていない

休んでもやることがない、早く帰ってもやることがない、

長時間労働をいとわない

ノー残業デーを設けているが、機能していない

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P. 8

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.10

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.11

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.16

(25)

本事例集の作成にあたり、18社に対して「働き方・休み方改善指標」を用いた診断・コン サルティングを実施した事例の中から、働き方・休み方改革の実践の事例を紹介します。

. 会議効率化に向けて、まず最初に会議グランド・ルールを以下のとおり設定した。 . 1.開始終了時刻を守る。

. 2.事前または冒頭に前回のアウトプットを確認してから会議を進める。 . 3.5W1Hを記録して終了。

. その上で、定例の安全衛生委員会をコア会議として設定し、トライアルを行った。 . まず安全衛生委員会について、生産を優先するために18時開始であったものを、16時半

開始に変更した。定時は17時半であり、これまでは終業時刻後に会議を実施していた。 . 会議の参加人数も減らした。会議開始時間の16時半は工場業務を行っているため、これ

まで一部署から2名出てもらっていたところを1名にし、会議の内容は朝礼で伝達して もらうようにした。

. 会議のやり方として、今までは前回の進捗確認に10 ~ 15分ほど時間を要していたが、 会議開始前に前回の議事録の中に実施状況を書き込んでもらうようにしたところ、1~ 2分で終えられるようになった。

. また、会議の最後に決定事項を記入する5W1Hの表を作成するようにした。それによっ て、取組事項が明確になり、実施状況の確認も容易になった。今は、その表を全社に公 開している。

. 他の会議でも同様の取組を実施している。会議の効率化への意識は全社的に出てきてい る。参加者からも、時間内に効率的に意見を出して終わらせようという意識が醸成された。 . 以前は、生産が最優先で、会議等は業務外でやるのが当たり前という意識があった。そ

うした考え方を変えることができた。日中でも会議の開催が事前に分かっていれば、現 場の業務も工夫して対応できるということが確認できた。

会議効率化トライアルの実践

株式会社ヒキフネ/製造業/社員数30 ~ 99人

参考となる取組事例

取組

事例

(26)

. 働き方・休み方に関する社長の意識が高く、これまでも年次有給休暇は100%取得する ようにしてきた。

. チョコレートを製造・販売する会社のため、季節毎の繁閑差が大きく、12月~ 2月の繁 忙期には非常に忙しくなる。今回、特に「2月のバレンタインに向けた繁忙期の仕事の進 め方改善」について、検討を実施することになった。

. 取組内容の検討にあたっては、社長と各部門(製造/販売(店舗販売)/販売(電話・インター ネット販売.)/包装)の代表メンバーで集まり、改善アイデアを出し合った。

. 製造部門では、新たな機械を投入し、効率的に活用できる方法の検討を進めた。機械の 投入にあたり、投資は必要だったが、生産の効率が上がった。パート社員を増やしたこ ともあり、よりスムーズに商品を供給できるようになった。今後、機械の稼働時間も踏 まえてどのように人を配置すれば全体の効率が上がるかも検討し、効果の最大化を図っ ていく。

. 販売部門では、納品書をペーパーレス化し、商品に同梱・郵送せずにWeb上で印刷する ことにした。これにより、作業時間が減っただけでなく、作業スペースの問題が解消され、 作業ミスも減った。発送までの作業がスムーズに実施できるようになった。

. 今後社内でアンケートを実施し、効果や負担軽減のためにできること等を把握していく 予定。アンケートでは、平時の働き方についての課題や改善案についても聞き、来年度 以降の検討の参考とする。

. 今後実施するアンケートの結果や、今回実施した「2月のバレンタインに向けた繁忙期の 仕事の進め方改善」の効果・課題等も踏まえ、プロジェクトメンバーで集まって改善ア イデアを出し合いながら具体的な取組を検討していく予定。

繁忙期に向けた取組

C社/卸売業、小売業/社員数30 ~ 99人

取組

事例

(27)

. 今後、働き方・休み方改革を具体化していくことに先立ち、まずは短期的な取組として「年 末年始の連続休暇取得の呼びかけ」を実践することにした。

. 具体的な取組内容としては、2017年の年末最終出勤日に年次有給休暇を取得するように 呼びかけ、所定休日とあわせて7連休の取得を推奨した。呼びかけの実施にあたっては、 経営にも事前に了解を取り、年末最終出勤日にイベント等を実施しないように配慮した。 . 結果、年末年始に年次有給休暇を取得する社員が増え、1/3程度の社員が取得した。また、

会社全体で連続休暇の取得を奨励したことにより、年末年始に「長めに休める」という 雰囲気が広まり、社内のムードが明るくなった。

. これを受けて、来年度はゴールデンウィーク・お盆・年末年始等で所定休日の間にある 平日を有給休暇奨励日として設定し、連続休暇取得の呼びかけを実施していくことにし た。早めに予定を組めるよう、来年度の予定について2月に全社的なアナウンスを実施し た。

. 今回の短期的な取組の効果・課題については、アンケートでも詳しく把握する予定。ア ンケートでは、年末年始の連続休暇取得実績のほか、会社より呼びかけがあったことを 知っていたか、上司や所属部署から年次有給休暇取得促進の声掛けがあったかを聞き、 職場における取組の浸透度を把握できるようにしている。また、取得できなかった場合 の理由等も聞き、来年度の取組の参考とする予定。

年末年始の連続休暇取得の呼びかけ

鈴与シンワート株式会社/情報通信業/社員数100 ~ 999人

取組

事例

(28)

(4)取組の効果検証

働き方・休み方改革に取り組んだ結果、どのような効果を得られたのか、検証を行 います。効果検証は、「Ⅳ 働き方・休み方改善指標(企業向け)」(P.37)を再度確認 し、労働時間や休暇取得の実態や、これに関連する自社の取組・制度を再確認しましょ う。改善された事項や残る課題を把握することができます。

また、人事労務データを分析し、働き方・休み方の改善状況を確認しましょう。人 事労務データを分析することで、部署や社員間の業務の平準化や、時季による繁閑差 の平準化が図られたかどうか把握することができます。

(29)

取組の効果検証に関して、以下のような課題がある場合には、「働き方・休み方改善取組 事例集(平成29年3月発行)」を参照してください。

. 組織的対応を評価する仕組みを導入

. 店舗ごとの働き方・休み方などの実態把握及び取組の情報共有

. 所定外労働時間や年次有給取得率の部門平均の社内等への公表 . 社内の好事例、問題事例の要因分析

. 労働組合との協力体制推進

. 働き方・休み方に関するデータと業績の関係や、組織単位の生産性等について分析を行う

. 社員意識調査の実施

. 社員意識調査による休暇に対する意識の収集 . 定期的に社員意識調査を行う

社内のマネジメントの事例が分析、共有されていない

働き方の実態が把握できていない

働き方・休み方に関するデータと業績の関係が不明確

社員がどのような働き方を望んでいるか把握できていない

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.15

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.41

⇒「働き方・休み方改善取組事例集(平成29年3月発行)」P.43

(30)

本事例集の作成にあたり、18社に対して「働き方・休み方改善指標」を用いた診断・コン サルティングを実施した事例の中から、取組の効果検証の事例を紹介します。

. 2018年度より、全社的な働き方改革の具体的な検討を進めることに先立ち、まずは決め た時間の中で効率的に働く意識を向上させるため、「退社時間計画トライアル」を短期的 に総務人財部内(14名)で実施し、効果や課題を検証することにした。

.「退社時間計画トライアル」は2017年12月中旬~ 2018年1月末にかけて実施した。 . トライアルの実施にあたり、ルールを設定した。「毎週、火曜日および木曜日の予定退社

時間を遅くとも前日までに入力する。残業する場合、目標退社時間は19時30分までとす る。」「毎週、月曜日・水曜日・金曜日は原則として定時退社日とする。」等の退社時間に 関するルールのほか、作業スケジュールを入力することや、必要な場合は上長が部下に アドバイス・指導をすること等もルールとして設定した。また、トライアルの実施にあ

たっては、効果や課題をより詳細に検証するため、「事前アンケート」と「事後アンケート」

も実施した。

.「退社時間計画トライアル」により、退社時間を意識して働く雰囲気がより醸成された。 また、他のメンバーの予定を意識して働くようになり、より連携を意識しながら働くよ うになった。他のチームで残業が続きそうな状況があれば、声を掛けあって手伝い合う 雰囲気も生まれ、チームワークの向上にもつながった。

. 事後アンケートでも、退社時間計画を今後も「進めたい」「やや進めたい」とした回答が 9割以上を占めた。また、今回の取組においての効果として、「職場の残業時間が少なく なり、早く帰りやすい雰囲気になった」と回答した者が6割近くいた。「残業を行う日で も目標退社時刻を決めることはメリハリがついて良い」との声もあった。

. 一方で、週3日を定時退社とし、残りの2日の目標退社時間は19時30分までとするルー ルは、繁忙期に実施するにはやや難しいとの意見も聞かれた。アンケートでは、「いかに この取組の必要性を多くの社員に認識してもらうかがポイントだと思う」といった声も あった。

. 今後、全社においてルールを展開する際には、定時退社日を増やすことだけを目標とす るのではなく、業務を効率的に組み立てて決めた時間に帰ることや、他のメンバーやチー ムの働き方を意識し合いながら働くことを強調する形で展開することも検討している。

効果検証のための取組事前・事後アンケートの実施

岩崎通信機株式会社/製造業/社員数100 ~ 999人

参考となる取組事例

取組

事例

(31)

個別事例の改善取組

働き方・休み方改善指標を活用した診断・コンサルティングを平成29年度に受けた 企業の診断結果、提案された対策や、検討結果、短期的取組の結果についてご紹介し ます。

【企業概要】

上下水道・揚排水機場の電気・計装・監視制御設備、ダム・水管理施設の監視 制御設備などの社会インフラシステム及び太陽光発電・マイクロ水力発電などの エネルギーシステムにおいて、各種製品供給及び工事設計・施工・アフターサー ビスまでワンストップで提供している。

【診断結果】

1)働き方

 2017年9月における週60時間以上の労働者の割合は0%であり、時間外労 働が突出的に多い社員はこの時点ではほぼいないものと考えられる。また、 2016年4月~ 2017年3月の月間平均総労働時間は172時間程度であり、長 時間労働が常態化している様子は見受けられない。しかし、時期による繁閑 差がある業態であり、繁忙期の1月~ 3月には総労働時間が200時間近くに及 ぶ。このため、業務の繁閑に応じた労働時間や就労場所を柔軟にする制度の 検討や、通常業務をより効率的に進めるための工夫をする余地があるものと 考える。また、8つの指標においても、意識改善の指標や、仕事の進め方改 善の指標は低めに出ており、意識面・業務面での改善を検討する余地がある。 2)休み方

 年次有給休暇取得率は高く、大きな課題は見受けられない。しかし、8つ の指標においては、Visionに関する<方針・目標の明確化>指標や、Action

株式会社荏原電産/建設業/社員数191名

 

※2017年9月末時点

(32)

【主な課題】

1)働き方・休み方【共通】

社員に対し、生産性向上および年次有給休暇取得推進の啓蒙を実施する必 要がある。

長時間労働の抑制や、年次有給休暇などの取得しやすさにつながる業務改 善を引き続き実施する必要がある。

2)働き方

効率的かつ効果的な働き方を行う仕組みの整備に工夫の余地がある。 長時間労働を抑制することにインセンティブが働く仕組みが十分でない。 3)休み方

年次有給休暇の取得推進策として、連続有給休暇(最長5日間の連続休暇) を実施しているが、より促進するための意識付けが必要である。

社内の制度(短時間勤務制度、時差出勤制度、時間単位有給休暇、育児休 業制度等)を周知し、柔軟な働き方を推進する必要がある。

【主な提案内容】

全社・部署・個人等での年次有給休暇取得日数、取得率等に関する数値目 標の設定

年次有給休暇の取得促進に向けた社内体制の明確化 残業の多い部下を持つ管理職への指導、改善促進

部下の長時間労働の抑制を管理職の人事考課に盛り込む

(平成29年診断時点)

(33)

長時間労働の抑制や、年次有給休暇取得促進に関する社員向けの教育・研修 年次有給休暇の取得率の低い(残日数の多い)社員に対する個別の休暇取 得奨励

休暇・休業時の業務フォローアップ体制の構築(顧客・取引先情報の共有等) 長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を目的とした業務プロセスの 見直し

【検討結果】

2017年6月に「働き方改革検討プロジェクト(以下、「検討プロジェクト」と いう。)」を発足し、諸施策の検討を実施。検討プロジェクトの体制は、取締役を 推進リーダーに置き、各職種の管理職・若手をメンバーとして配置した。検討プ ロジェクトは、「「労働の質」を高め生産性向上を図る」ことを目的とし、定量的 目標は、一人あたりの労働時間を年間120時間削減し、2019年度に1,950時間/ 年/人とすることとした。推進体制として新たに「働き方改革実施プロジェクト(以 下、「実施プロジェクト」という。)」を立ち上げ、これまで検討した施策を推進 する予定。実施プロジェクトのメンバーには、女性も加え、多様な視点で推進し ていくことにしている。

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